肝臓がんは、手術でとれるものは摘出するというのが第一選択肢です。しかし、肝機能が低下していたり、がん細胞が散らばっていたりすると手術はできません。そのような場合には、がん組織に直接針を刺してエタノールを注入したり、電磁波によって熱を発生させてがん細胞を死滅させたりという方法をとります。
それでも厳しい場合は、肝動脈に抗がん剤を注入するという方法があります(肝動脈塞栓法)。
効果は、手術で病巣が摘出できた場合は5年生存率でみると60数%、手術ができずにエタノール注入をするような進行具合だと55%程度、肝動脈塞栓法をしなければならない場合には20数%に低下します。




自分のがん組織を使った「自己がん組織樹状細胞療法」や、「局所がん樹状細胞療法」の試験データを見ると、先の治療法では効果がみられなかった患者さまに対して、60〜70%の割合で進行がストップしたという成績が報告されています。

中国の中山大学附属病院の臨床試験において、39名の患者さま(平均で5.3cmもの大きながんがあった人たち)のうち18名に、手術後、がんワクチンの投与を行いました。ワクチンを“打たなかった”グループで2年後に再発しなかったのは30%、一方、ワクチンを“打った”グループでは、80%が再発しなかったという結果が出ています。

肝臓がん予防でもワクチンが活躍
最近では、肝動脈塞栓法の治療を受けている患者さまに対して、抗がん剤を入れるためのチューブを利用し、そこから樹状細胞を注入するという方法が行われています。

また、肝臓がんに関しては、“がんを予防する”分野でもワクチンの有用性が分かってきました。
というのも、実は肝臓がんになる人の大多数がC型肝炎をもっています。つまり、C型肝炎にならなければ肝臓がんは防げる、あるいはC型肝炎が見つかった時点で適切な治療をすれば肝臓がんを予防できるわけです。C型肝炎のワクチンは、肝臓がんの予防においてとても重要であると言えます。
すでに国立感染症研究所を中心にC型肝炎のワクチンの開発が急速に進められています。C型肝炎のウイルスがワクチンで抑えられるようになると、肝臓がんになる患者さまそのものが減少していくはずです。
肝臓がんは予防も治療もワクチンで行うという時代が訪れつつあります。
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