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免疫力高め、がん細胞たたく “第4の治療”に期待高まる
11月6日13時48分配信 産経新聞
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膵がん患者へのペプチドワクチンの投与は、脚の付け根にあるリンパ節に注射する=千葉県船橋市の千葉徳洲会病院(写真:産経新聞)
 ■臨床試験で有効性検証
 体が本来持っている免疫の力を利用して、がん細胞を攻撃する「がんワクチン療法」が大きな注目を浴びている。中でも、ペプチド(タンパク質の断片)を使った療法は、複数の病院で安全性や有効性を検証する臨床研究が始まっており、既存の治療法がなくなったがん患者からの期待は高い。手術、放射線、抗がん剤に次ぐ治療法として、専門家からも熱い視線が送られている。
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 ◆治療 生きる希望に
 「すごい効果が出るとは思ってなかったが、何らかの手応えは感じている」。千葉徳洲会病院(千葉県船橋市)の浅原新吾副院長(消化器内科)は、ペプチドワクチン療法の印象をこう話す。
 同病院は3月から、日本のゲノム(全遺伝情報)解析研究を率いてきた東京大学医科学研究所(東京都港区)の中村祐輔教授(同研究所ヒトゲノム解析センター長)が開発したペプチドを使い、既存の治療法が尽きた膵(すい)がん患者を対象に臨床試験を行っている。
 膵がんは診断から1年以内で亡くなる人も多く、治療法が尽きた患者の余命は一般的に数カ月とされる。同病院が臨床試験を行っている患者の中には腫瘍(しゅよう)が縮小したり、マーカーが下がったりした患者もいたという。
 浅原副院長は約10年にわたり、癌(がん)研有明病院(江東区)で消化器がんの治療に携わってきた経験を持つ。肝がんなどの患者ではごくまれにがんが自然消失するケースがあったが、膵がんではそうしたケースはみたことがなく、臨床試験の経過を驚きながら見守っているところだという。
 臨床試験に参加する浅野耕路さん(80)=港区=は9回目の治療を終えた8月末、「抗がん剤治療を終えたときはもう駄目だと悩んだが、まだ治療法があると聞いて希望が持てた」と笑顔をみせる。
 ◆陽性患者は生存2倍
 中村教授が開発したペプチドを使った臨床試験は平成18年から、食道がんや胃がん、大腸がんなどで全国の大学病院を中心に行われ、ワクチンに反応するリンパ球が陽性の患者は、陰性の患者に比べて生存日数が2倍以上長いことが分かっている。
 また、久留米大学病院(福岡県久留米市)が実施する別のペプチドワクチンと抗がん剤を組み合わせた併用療法では、従来なら生存期間の中央値が10〜12カ月という既存の治療法がない前立腺がん患者の中で、HLA(白血球の型)が「A2」というタイプでは25カ月と約2倍長くなる効果が得られている。
 こうした成果に患者の期待は高まるが、米国には「ペプチドワクチン単独では効果が乏しい」という論文もあり、有効性をどう判断するか課題も多い。
 中村教授は「がんの治療法はゲノムを使うことで大きく変わってきている。医薬品になれば、日本のがん死亡を年10万人は減らせるのではないか」と期待を寄せている。
【用語解説】がんワクチン療法
 がん細胞が持つ特異的な抗原などの“目印”を見つけ、リンパ球などにがん細胞のみを攻撃させる治療法で、免疫療法の一つ。抗原にはペプチドのほかに、患者から採取した血液中の樹状細胞やがん細胞、DNAなどがあり、世界的に開発が進められている。


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